書架 by SAKUOLIA

A Quiet Shelf for the Long Read

小説

現代の制度と個人が接触する瞬間の微細な摩擦を描く。

8点
小説

行ってきたら

環境省を三十三で辞めた女が、事業会社の一年を過ごしながら、自分が六年前に落とした一文と、自分が別れ際に言った一言を、どちらも最後まで口にしないまま次年度の仕事に入っていく。制度は正しく回った。それでも欠落は生じる。誰も悪くない。

中編 約6.4万字 読了目安 約2時間
小説

三十二分

戦略ファーム三年目の宮浦直哉が、二十三ヶ月で三つの案件を通り過ぎる。四十三枚のうち開かれたのは一枚だった。役員会議は五十分の予定で三十二分で終わり、そこで何が言われたかは記録されない。幻滅ではない。思っていた通りの仕事をした結果、それに意味を見出せなくなる話である。

中編 約5.0万字 読了目安 約1.5時間
小説

反対尋問

八千トンのはずの倉庫に、三千二百トンしかなかった。同じ日に届いた二通の通知。国際仲裁の代理人が、深夜のシンガポールと母校の演習室とを往復しながら、二千億円の紛争と、自分の勝ち方の汚れに決着をつける。契約書は世界を作れる。だが、物の在り処と、会社の意思と、時間だけは、当事者が選べない。

中編 約9.8万字 読了目安 約3.5時間
小説

指定

決済と、預金と、与信。銀行はこの三つを、効率的だったからではなく、技術的に分離できなかったから束ねてきた。いま、その束が解けた。人口四万の港町で、口座は一つも減らないまま、金だけが毎月出ていく。誰も悪くない。誰の意思も介在していない。地方銀行が銀行でなくなっていく過程を、外側から一度も視点を離さずに描く。

中編 約8.4万字 読了目安 約3時間
小説

代替本店

二〇〇X年六月、東京をマグニチュード八・四の地震が襲う。東京の中枢が沈黙したとき、大阪はどこまで日本の金融を支えられるか。土佐堀川を挟んで並び建つ日本銀行大阪支店とメガバンク大阪本部の現場を描く。年に一度の訓練は東京の三割の人数を前提にしていたが、本震はその前提ごと壊してくる。

中編 約10万字 読了目安 約3.5時間
小説

能力宣言

できないことを申告した側が、排除されずに接続される。次世代の資金決済基盤を作る三年間のプロジェクトルームに、地方銀行の営業マンと、鉄道の運行計画を専門とする研究者が呼ばれた。彼は現場を知っていて設計を知らない。彼女は設計を知っていて現場を知らない。どちらも半分しか持っていない。

長編 約15万字 読了目安 約5時間
小説

白焼

四十年続いているものは、四十年同じだったのではない。毎年わずかに変えられてきた結果として、続いているように見えている。千駄ヶ谷の小さなデザイン事務所に、今年もインターンが二人来る。酒蔵のポスターの八十四枚目と、菓子屋の化粧箱。事件は起こらない。二か月ぶんの仕事が、ただ進んで終わる。

中編 約5.2万字 読了目安 約1.5時間
小説

仮条件

投資銀行は、実際には何をしているのか。瀬戸内の港町の支店から本社の企業金融部へ移った井坂周は、聞こえたことを全部書き取る。一つの地方企業の主幹事獲得から上場、そして六年後の上場廃止まで。そのあいだ、福浦に残った後輩の野々村紗季から、電話は数か月に一度、いつも彼女の側からかかってくる。

長編 約15万字 読了目安 約5時間

実務テキスト

業務に役立つ細かなノウハウを業界ごとにまとめました。

2点

設計資料

SAKUOLIAが設計した大規模システムの設計資料。

1点